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Pickup特集 和食の天才、異才の芸術家 北大路魯山人

書や篆刻、料理、そして陶芸など多彩なジャンルで活躍し、美食の道をきわめた存在として広く親しまれている 異才の芸術家、北大路魯山人。76歳でこの世を去るまで自然界の美しさを軸とした「自然美礼賛」を追求し 続けた人物像に触れます。

壮絶な生い立ちと人柄

壮絶な生い立ちと人柄
1883年(明治16年)、京都の上賀茂神社の社家の次男に生まれた北大路魯山人。しかし、父は魯山人の出生前に自殺、母も間もなく失跡。魯山人は行き場をなくし親戚宅を転々とする幼少期をすごしました。6歳のときにようやく木版師を営む福田家に養子となり落ち着くこととなります。
魯山人を知る人は、彼の性格を「我儘」、「奔放」、「傲慢」、「横柄」、「辛辣にすぎる苦言」、「驚くべき自画自讃」などと評します。
鬱屈とした幼少期の経験と孤独感が、この強烈で個性的な人格形成に大きな影響を与えていることは想像に難くありません。

北大路魯山人(撮影 土門拳)

北大路魯山人(撮影 土門拳)

美食家、陶芸家として

今も語り継がれる美食へのこだわり
 貧しい環境のなかで成長した魯山人は、その反動か、食へのこだわりが人一倍強く、1921年(大正10年)に会員制の料亭「美食倶楽部」を開店させます。そのうち会員数が増えていくと、東京の永田町にある料理店「星岡茶寮」を借り、会員制の高級料亭を開業させました。魯山人は料理研究家としての著作が多く、料理の第一歩からフランス料理まで幅広く食を語っています。また、納豆や卵かけご飯の絶品の食べ方など、現在の日本食文化にも通ずる提案を遺しています。

食のこだわりから陶芸家へ
 篆刻や絵画、書道、料理などさまざまな芸術分野に興味を持ち、そのすべてにおいて突出した才能を発揮した魯山人。その中でも特に人気があり、今日においても高い評価を受けているのは陶芸品です。
 食へのこだわりが強かった魯山人は、食べることや料理だけでは満足できなくなり、「おいしい料理にふさわしい理想の器」を追い求め、自ら陶器や漆器を作り始めます。陶芸においてもオリジナリティあふれる無二の才能を発揮しましたが、『器は料理の着物である。』という言葉を遺しているように、実際に器は料理を盛ってこそのものという考えに重きを置いていたのです。主役の料理があり、引き立て役として器がある、そこで初めてひとつの美しい作品が完成する――それが魯山人の美意識でした。

染付口紅文字文大磁器壺(京都国立近代美術館)

染付口紅文字文大磁器壺(京都国立近代美術館)

現代に響く美意識

 魯山人の多彩な作品や名言は、あらゆる地で見聞きでき、私たちに常に新鮮な発見をもたらします。生活に密着した芸術に関わるすべてのものへ、類を見ない才能を発揮し、大きな影響を与えた魯山人。その美意識は現代を生きる私たちの心の根底に、時を超え強く訴え続けています。魯山人の足跡にふれ、あらためて日本文化に思いを馳せる――そんなひとときを味わうことも、現代を生きる私たちの心を豊かにすることでしょう。

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